美容看護師はお給料が高い?その実際と理由を現役美容看護師が解説!

美容看護師はお給料が高いと聞いて転職先として考えている看護師の方も多いのではないでしょうか?
実際どのくらいか、病棟看護師と比べてお給料が変わるのか気になりますよね。


転職先を考える際に判断基準として大切なのがお給料。でも、お給料以外にも気になることはたくさんあるはず。

転職後こんなはずじゃなかった…を防ぐために病棟看護師と美容看護師、両方の経験がある筆者が実際を解説していきます!

この記事を読んで分かること

・病棟看護師と美容看護師のお給料の違い

・美容看護師のお給料が高い理由

・同じ美容クリニックでもお給料に差が出る理由

・自分に合った美容クリニックの選び方

目次

美容看護師と病棟看護師の月収・年収を比較

美容看護師の年収は高いと聞くけど実際はどのくらいなのでしょうか?
病棟の看護師と美容看護師を比べた際の年収の違いについて以下で解説していきます。

病棟看護師美容看護師
月収27万円~
(内夜勤手当:約5万5千円)
32万円~
(研修期間含めず)
年収446万(25歳~29歳)~384万~
※「公益社団法人日本看護協会HP」/「令和4年賃金構造基本統計調査」/各美容クリニックより引用

表を見ると意外なことに年収ベースでは病棟看護師のほうがお給料が高いことが分かります。意外な結果ですよね。

月収は美容看護師のほうが高いですが、年収だと実は病棟看護師のほうがお給料は高いんです。

病棟だとボーナスが「月収〇か月分」など記載されている病院が多いですが、美容クリニックではそもそもボーナスがなかったり、あっても病棟ほどの水準ではないことがあります。

きち

私自身、病棟時代のボーナスは約80万円/年、美容クリニックでは約30万円/年くらいです。

上記の表では美容クリニックの平均年齢に近い「25歳~29歳」の年収を記載していますが、病棟看護師のピーク年収は「45歳~49歳」で「約559万円」です(「令和4年賃金構造基本統計調査」より算出)。ここからも分かるように病棟看護師は年齢によってお給料が上がっていきます。

きち

年齢や経験年数によっても大きく変わりますが、私自身も年収だけで見たら病棟看護師のほうがお給料は高かったなと感じています。

では、なぜ美容看護師はお給料が高いと言われるのでしょうか?次で理由を3つ解説していきます。

美容看護師のお給料が高いと言われている理由を3つ解説!

夜勤がない割に月収が高い

これは圧倒的お給料が高いと言われる理由ではないでしょうか。

病棟での月収は「夜勤手当」を含めたお給料となっていますが、美容看護師は夜勤がないのに月収は病棟看護師を上回ります。

夜勤をしていると生活リズムが崩れてしまってたり、休みの日もなかなか疲れが取れなかったり…せっかくの休日も一日寝て過ごしてしまった…なんて経験のある方も多いのではないでしょうか。

きち

夜勤明けは夕方まで寝てしまい夜眠れなくなることもしばしば…
そして、朝方寝て、昼過ぎに起きて…悪循環が続いちゃうんですよね。

その点美容看護師は夜勤がないため生活リズムが整えやすく、休みの日のスケジュールも立てやすいのが良いところ。

また、生活リズムが乱れないため健康管理もしやすいです。体調を崩してしまうと職場にも欠員が出てしまいますし、病院代など余計な出費もかさばりますよね。

夜勤がないのに病棟看護師を上回る月収はタイムパフォーマンスに優れていると言えます。

プライベートと仕事を両立させやすい

病棟では緊急入院や急変など、残業になることもしばしば。

しかし、美容クリニックは基本的に予約制のため患者様対応の時間が決まっており残業はほとんどありません

そのため、仕事終わりの予定も立てやすく、プライベート時間も充実させることができます。

また、美容クリニックの一つの特徴として業務開始時間が遅く、業務終了時間が遅いことが挙げられます。

朝の時間を有効活用できれば、仕事終わりの疲れた状態ではなく、朝一番のリフレッシュされた状態で自分のやりたいことリストに取り組むことができるのです。

きち

私は11時出勤なので、朝早く起きて副業の勉強やヨガの時間にあてています。仕事前に自分のやりたいことを終えると、その後の仕事もスムーズに取り組むことができて一石二鳥だと感じています!

美容クリニックの場合、時間にも余裕を持ちプライベートを充実させながら働けることができます。

これぞまさに、「タイム イズ マネー」ですね。

若い年齢でもお給料が良い

病棟看護師は年齢とともにお給料が上がるイメージですが、美容看護師は年齢の割にお給料が高いところが多いです。

美容クリニックで働く看護師の平均年齢は「25歳~29歳」と若いですが、月収は「32万円」を超えてきます。

病棟看護師の「25歳~29歳」の月収は「約29万円」(※令和4年賃金構造基本統計調査より引用)。

比較してもお給料が高いことが分かりますよね。

しかし、クリニックによってお給料の差があるのが現状。次でクリニック別のお給料を紹介していきます。

クリニック別お給料比較

では実際、クリニックによってどのくらいの差が出てくるのでしょうか?以下クリニック別で表にしています。

スクロールできます
AクリニックBクリニックCクリニックDクリニック
月収35~40万
(研修期間中32~37万)
32~40万※勤務日数で変動
(研修期間中の給料変動記載なし)
40~45万
(研修期間は月収35万)
36万~
(研修期間中も同額)
賞与あり 年2回なしあり 年2回賞与ではなく
短期業績手当として記載
年4回
年収476万~538万384万~542万~654万
(モデル年収)
554万(2年目Nsモデル年収)~
※各クリニックHPより引用

美容クリニックによって月収・年収が大きく異なることが分かります。ボーナス(賞与)があるかないかでも変わってきますよね。

ここまで違うとクリニック選びに慎重になる重要性が分かっていただけるかと思います。

ただ、お給料が高いのにはもちろん理由があります。

次にお給料に大きく差が出る理由についてみていきましょう。

同じ美容系クリニックでもお給料に差が出る理由は大きく4つ

同じ美容系クリニックでもお給料に差が出てくる理由は大きく4つあります。

それぞれの理由についてみていきましょう。

美容外科と美容皮膚科の違い

まず一つとして診療内容の違いです。美容系クリニックには大きく3つ種類があります。「美容外科」「美容皮膚科」「美容外科と美容皮膚科混合」のクリニックです。

例えば、

美容外科は外科に特化しており美容整形が強いクリニック。

美容皮膚科は皮膚科に特化していてニキビ治療やシミ治療などスキン治療のメニューが豊富です。

また、美容皮膚科・美容外科・歯科など幅広く対応している大手クリニックも。

診療内容が多いほうがクリニック全体として儲かりますし、特に美容外科はオペが多いため一つ一つのメニュー単価も高めです。

しかし、「外科」を扱うクリニックは比較的お給料が高いですが、オペを伴うため、「美容皮膚科」に比べると残業が多かったり業務内容が多かったりします。

美容クリニックを選ぶ際には診療内容を確認して「自分が何を一番重視したいのか」考えて選んだほうが良さそうですね。

きち

私の場合は、お給料も大事でしたが働き方も重要視していたため、残業が少なく診療メニューの多い美容皮膚科を選んで転職しました。

インセンティブの有無

インセンティブとは売り上げが目標額を超えると給与に上乗せして支払われる報奨金のことです。

インセンティブ(incentive)

 やる気を起こさせるような刺激。動機付け。
 値引き。奨励金。「インセンティブセール」
成果を上げた社員や販売店に通常給料や手数料以外に特別に支給する報奨金。物や旅行のこともある。販売奨励金

インセンティブとは? 意味や使い方 – コトバンク (kotobank.jp)

上記の通り全体のやる気をアップさせ売り上げに繋げるため設定しているクリニックも増えてきています。

目標額を達成しなくてもお給料が減ることはないですが、達成すると上乗せされるため「臨時収入」のような感覚に近いかもしれません。

きち

私はインセンティブが入った月はお給料が少し高くなるので、その分で欲しかったコスメや洋服を買ったりしています!

施術内容の種類の豊富さ

先述しましたが、施術内容が豊富だとクリニック全体としての売り上げも高くなりますし、集客率も高くなります。

また、もともと脱毛で通っていた患者様が肌の治療に興味をもって頂ければ、プラスで利益が上がりますし継続的に通っていただく機会が増えますよね。

そして、独り立ちした施術内容が多いと、「能力給」として手当がもらえるクリニックもあります。

施術内容をたくさん覚えることに抵抗を感じなければ施術内容が豊富なクリニックを選ぶのが良いでしょう。

きち

私の勤めているクリニックではひとり立ちした施術内容が増えるごとに数千円毎月プラスされています。

ボーナスの有無

最後にボーナスの有無です。

月収が高くてもボーナスがなければ年収ベースで考えたときに必然的に下がってきてしまいますよね。

月収はAクリニックのほうが高いけど、年収はBクリニックのほうが高い!」なんてことにもなりかねません。

また、クリニック全体の利益から算出されることが多いため、ある程度大手美容クリニックのほうがボーナス額は多く見込めそうです。

ボーナスの有無をはっきりと記載していない美容クリニックも多いため、転職時はエージェントさんに相談するのも一つです。

どんな美容クリニックが良いの?ポイントを5つ解説

それでは、どんな美容クリニックを選べば良いのでしょうか?

年々美容医療に対しての注目度が高くなっているため、美容クリニックも増えてきていますよね。

考えている人

たくさんの選択肢の中から自分にあったクリニックはどうやって見つけたら良いかな?転職で失敗したくない…

クリニック選びに悩んでいる方も多いはず。

「お給料よりも休みが多いほうが良い!」という方や、「どんどん稼いで美容の知識を身に付けたい!」という方もいると思います。

そこで数ある美容クリニックからご自身にあったものを選択できるよう、見るべきポイントを解説していきます。

福利厚生

まず一つ目に福利厚生です。

福利厚生とは簡単に説明すると「給料以外の報酬サービス」の事を指します。

福利厚生もクリニックによって種類は様々ですし、多ければ多いほど嬉しいですよね。

よくある福利厚生としては「家賃補助・住宅手当」「特別休暇(結婚・育児休業等)」

そしてクリニックによっては「結婚・出産お祝い金」など、これから色々なライフイベントを控える看護師にとっては嬉しい福利厚生の設定があるクリニックも。

喜ぶ人

家賃補助があれば月々の自己負担が減るので助かる!
これからライフイベントも控えているし、お金が必要になるイベントの際に臨時収入があるのも嬉しい!

福利厚生はお給料以外の+αの収入になることも多いのでしっかりと確認したい項目の一つです。

年間休日

二つ目は年間休日です。 例として各クリニックの年間休日をまとめてみました。

スクロールできます
AクリニックBクリニックCクリニックDクリニック
年間休日121日以上111日(週休2日制)~
162日(週休3日制)
120日以上130日以上
※各クリニックHPより引用

年間休日が少ない分お給料も高くなりますが、人によっては「お給料も大事だけど、プライベートの時間も大切にしたい‼︎」と考える方も多いのではないでしょうか。

休みが多ければ旅行にも行きやすいですし、自分のスキルアップのためにも時間を使いやすくなります。

そして、子育て中の看護師の方にとっては休日が多いのは家族との時間もとりやすく、嬉しいですよね。

お給料以外にもプライベート時間を充実させたい‼︎という方は年間休日数もしっかりと確認してみてください。

仕事内容

三つめは仕事内容です。

施術内容が多いクリニックであれば仕事の種類も多くなり、「脱毛特化型」のようなクリニックではシンプルな仕事内容になります。

仕事内容が多い方が良いか、少ない方が良いかは人によって異なるかと思います。

スクロールできます
施術内容が少ない
クリニック
メリットこんな人におすすめ
・覚える内容がシンプルなため
すぐに仕事に慣れることができる
・深く狭く技術を磨くことができる
・シンプルな仕事が好きで同じ内容でも飽きが来ない人
・すぐに仕事に慣れたい人
・一つのことを極めたい人
デメリット
同じことの繰り返しになりがちなため飽きてしまう
施術内容が多い
クリニック
メリットこんな人におすすめ
・色々な施術内容を覚えることが
できる
・美容についての知識を広く身に付けることができる
・幅広い美容施術のスキルを身に付けたい人
・単調な作業に飽きやすい人
デメリット
覚える施術内容が多く、新たに
勉強が必要な分野が多くなる
きち

私は飽き性な性格なので、診療内容の多いクリニックを選んで正解だったなと感じています。施術内容をすべて覚えるまでに時間はかかりましたが、美容医療に関して幅広く知識と技術を身に付けられたので美容看護師として成長できたなと感じています!

どんなふうに働きたいか、自分の目指す働き方によってクリニックを選ぶことをおすすめします。

ノルマ制度orインセンティブ制度

4つ目は「ノルマ制度」なのか「インセンティブ制度」なのか、ということです。

まず、それぞれの違いについて解説していきます。

ノルマ(〈ロシア〉norma)

《規範・規準の意》
 一定時間内に果たすよう個人や集団に割り当てられる標準作業量。第二次大戦後のシベリア抑留者が伝えた語。
各人に課せられる仕事などの量。「ノルマを果たす」
[補説]作品名別項。→ノルマ

ノルマとは? 意味や使い方 – コトバンク (kotobank.jp)

上記の通りノルマ制度の場合、達成するべきゴールといった意味合いが強く、達成できなかった場合評価が下がる可能性があります。そして、達成できても+αで報奨金がもらえることは少ないです。

インセンティブ(incentive)

 やる気を起こさせるような刺激。動機付け。
 値引き。奨励金。「インセンティブセール」
成果を上げた社員や販売店に通常給料や手数料以外に特別に支給する報奨金。物や旅行のこともある。販売奨励金

インセンティブとは? 意味や使い方 – コトバンク (kotobank.jp)

次に「インセンティブ制度」です。これは、売り上げが目標額を超えると給与に上乗せして支払われる報奨金のこと。

インセンティブの場合は、スタッフのモチベーションを上げるためにクリニック側が設定していることが多いので、達成するとお給料にプラスして報奨金が払われます。

きち

私の勤めているクリニックは「インセンティブ制度」です!
達成できれば+αでお給料になるので毎月のモチベーションになっています。

上記二つを比べると似ているようで全く違うことが分かります。「達成しなければいけない」「達成できたらいいな」では意味合いが全然異なりますよね。

以前は「ノルマ」として課していたクリニックも多かったですが、心理面での負担が大きいため「インセンティブ制度」に変更しているクリニックが多くなってきています。

職場の雰囲気

最後は職場の雰囲気です。

これはどこの職場でも同じですが、仕事を無理なく続けていくうえで大事なのが「人間関係」ですよね。

人間関係がギスギスしている職場では、ストレスもかかりやすいですし仕事に行くモチベーションも下がってしまいます。

悩んでる人

ネットの求人情報だけだと、職場の雰囲気は分からないな…

そんな時はネット上での病院の口コミを見ることができるサイトを利用したり、転職のサイトを利用するのが良いでしょう。

転職サイトの登録後はいろいろなメールや電話が来ることが多いので、対応が億劫に感じる方も多いかもしれません。

しかし、転職サイトでは転職後の看護師に取材をして「職場の雰囲気や内情」についても詳しいため、実際の職場の雰囲気をリアルに知ることができます。

きち

私も実際に転職サイトを利用しました。私の性格に合わせて転職先を紹介してくれたり、実際の職場の雰囲気についても教えてくれました!
また、過去の面接であった質問なども教えてくれたので、本番の面接では焦らずに対応することができましたよ。

まとめ

本記事では美容看護師のお給料について説明してきました。

結論、「美容看護師は働き方を踏まえるとお給料が良い」と言うことがわかりました。

美容看護師のお給料が高い理由は大きく分けて3つ

  • 夜勤をしなくても病棟看護師のお給料を上回るためタイムパフォーマンスが良い
  • 残業が少ないためプライベートも充実させることができる
  • 月収ベースでは若い年齢でも病棟看護師よりも高い

ただし、クリニックによってお給料に差が出てくるため、クリニック選びのポイントを押さえてクリニック選びは慎重行いましょう。

  • 福利厚生を確認する
  • 自分の目指すライフスタイルに合わせて年間休日を確認する
  • 仕事内容を踏まえてクリニックを選ぶ
  • インセンティブ制度があるか
  • 職場の雰囲気を知る
きち

自分に合った美容クリニックを見つけるためにも、自分自身の目指す仕事スタイルやライフスタイルについても考えることが大切ですね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

このブログを運営している人

看護師歴6年。県立病院で2年働いたのち、美容皮膚科へ転職。
美容皮膚科歴4年目。一般的な看護師のイメージとは少し違う美容皮膚科という現場で日々勉強をしながら楽しく働いています!

コメント

コメントする

目次