美容クリニックに転職を考えるけど仕事内容のイメージがわかない…
病棟経験は活かせるかな?
転職する前に、仕事内容や経験を活かせるか把握しておくことは、その後のキャリアを考えるととても重要です。
本記事では、美容皮膚科歴4年の現役看護師が実際の仕事内容をお伝えします!
美容クリニックへの転職を考えている方はぜひ参考にしてみてください。
・美容クリニックの仕事内容が分かり転職後のイメージが湧く
・病棟看護師との違いが分かる
美容看護師とは
美容看護師とは、美容を目的とした医療行為を行う施設で働く看護師のことです。
美容クリニックは必ず医師が常駐しており、看護師は医師の指示のもと医療行為を行います。
美容皮膚科だと、看護師が患者様に施術を直接行うことが多いです!
美容クリニックは大きく分けて美容皮膚科・美容外科・脱毛専門の3つに分かれますが、美容看護師というくくりは同じです。
病棟看護師との違い
病棟と美容クリニックでは医療サービスの性質が異なるため、色々な面で違いがあります。
病棟では疾病からの回復を目的としており、美容クリニックでは、健康な状態からさらに上を目指すことを目的としています。
病棟看護師と美容看護師の違いは以下の5つ。
私は病棟と美容クリニックの両方経験がありますが、実際働いていて違いを感じる場面が多いです!
それぞれ詳しく解説していきます。
業務内容
病棟看護師と美容看護師の業務内容をそれぞれ表にしてみました!
それぞれ業務内容が似ているようだけどよく見ると違うね!
私は実際に美容皮膚科に転職して、病棟とは業務内容が全く違う!と感じました。
担当する患者様の情報収集やアセスメントを行うなどの基礎は同じですが、実際に行う看護業務の内容は異なります。
環境
病棟看護師と美容看護師の環境の違いを表にしてみました!
院内の雰囲気も美容クリニックは、落ち着いている印象です!
それぞれ目的が異なるので、働く環境にも違いが出てきます。
患者様の特徴
病棟と美容クリニックでは来院する患者様の特徴が大きく異なります。
美容クリニックでは患者様=お客様なので、患者様との関わり方も病棟とは全然違います!
美容クリニックでは「接遇」がとても重要視されるため、病棟との違いを強く感じる部分になるでしょう。
スキルと知識
美容クリニックでは、求められるスキルと知識には違いがあります。
違いが多く感じられますが、美容看護師に求められるスキルや知識は病棟経験がベースにあることが大前提です。
実際に両方経験して、病棟で基礎的な考え方や技術を身につけて本当に良かったなと痛感しています!
美容クリニックで求められる知識や技術は病棟とは異なりますが、医療機関であることには変わりません。
働く場所が変わっても、看護師として働く以上は基礎的なスキルや知識はとても重要です!
勤務体制
自分に合う勤務体制を選ぶのは、仕事を長く続ける上で大切なことです。
病棟看護師と美容看護師の勤務体制の違いを以下にまとめました。
美容クリニックは夜勤がない分休みが少なく感じられますが、私は夜勤が苦手だったので今の働き方がとても合っています!
病棟看護師と美容看護師には様々な面で違いがあることがわかりました。
病棟看護師と違いがあることは分かったけど、実際に美容看護師はどんな仕事内容なの?
次で、美容看護師の仕事内容について詳しく解説していきます!
美容看護師の仕事内容
美容看護師の仕事内容は大きく分けて以下の4つに分けられます。
病棟では経験することの少ない仕事も美容看護師には含まれます!
それぞれ詳しく解説していきます。
患者様への施術
非侵襲的な施術がメインですが、医師の指示のもと看護師が実際に患者様へ行う施術があります。
美容看護師でも、患者様に直接的に関わるので、病棟と同じようにアセスメントや観察はとても重要ですよ!
患者様への施術内容は以下の通りです。
- 医療脱毛
- レーザー治療
- ポテンツァやダーマペンなどの美肌治療
- ピーリングなどの薬剤塗布
- 頭髪治療や静脈注射などの薬剤注入
美容皮膚科、美容外科でもそれぞれ仕事内容が変わります。
美容皮膚科では、侵襲が低い施術が多いため看護師が行う施術の割合が高いです。
対して、美容外科では手術など侵襲が高い施術が多いため医師が行う施術の割合が高いです。
美容外科では手術の準備や片付け、術中の介助なども看護師の仕事に含まれるため、美容外科への転職を考える方は、外科的手術があることを念頭に入れておきましょう。
病棟ではやらない内容が多いけど、できるかな…
経験していない仕事内容だと不安になりますよね。
ですが、どこの美容クリニックも必ず研修を行った上で新しい技術を習得していきます。
基礎的なものから始めて徐々にレベルアップしていくので、できることが増える楽しさは格別ですよ!
クレーム対応
美容クリニックと聞くと、クレーム対応が多そうなイメージを持つ方もいるのではないでしょうか。
しかし、意外とクレーム対応は多くありません。
私の体感だと、大きなクレームは3ヶ月に1回あるかないかくらいです。
病棟で働いていても患者様やご家族との相違で、ご意見をいただく場面は少なくないでしょう。
実際にクレームが起こりやすい場面としては以下が挙げられます。
- 患者様のイメージと施術の成果が釣り合っていなかった(効果が期待に応えられなかった)。
- ダウンタイムの説明が不足しており、ダウンタイムが完成形と捉えられてしまった。
- 看護師の技術不足による照射漏れなどのミスが起こってしまった。
- 痛みが患者様の想像を上回ってしまった。
いずれも、意思疎通がうまく取れていなかったり、単純に技術不足が原因となっています。
事前の説明はもちろんのこと施術中も患者様の声を傾聴しながら接することが大切です。
痛みや初めての美容クリニックで緊張している方も多いので、声掛けで緊張をほぐしてあげるのがポイントです!
また、クレーム自体も一人で対応することはなく、先輩や師長と相談しながら解決していきます。
管理職が一緒になって問題を解決していくので安心して下さい!
カウンセリング・受付業務
大手の美容クリニックでは基本的に、看護師の業務は主に患者様への施術がメインで、カウンセリングや受付業務はカウンセラーが担当します。
しかし、個人の美容クリニックや規模が小さいクリニックでは、カウンセリングや受付業務を兼任する所もあります。
カウンセリングって難しそう…
病棟では行わない業務なので、イメージがつきにくいですよね。
- 患者様が希望している施術の説明
- 患者様に適している施術の提案
- 料金の案内
- クリニックの規定の説明(予約の取り方やキャンセルの扱いなど)
主に、施術の説明と患者様の予算に合わせた施術プランの案内が業務内容に含まれています。
カウンセリングも患者様との間に相違がないように行うことが重要なので、しっかりと研修を行ってから患者様のカウンセリングに入ります。
新しいスキルが必要になる場面では必ず研修を行うので安心してください!
受付では、主にお支払いや次回の予約取り、最後に患者様へご不明点等がないか確認することが業務内容です。
終わりよければ全てよしではないですが、受付では最終的なクリニックのイメージが悪くならないよう、患者様対応に気を遣うことが大切です。
環境整備
環境整備は病棟でもよく聞くワードですよね。
美容クリニックでは環境整備の幅が病棟と比べて広い意味を持ちます。
病棟では看護師が担当しない仕事も含まれています!
理由としては、病棟では清掃専門のスタッフがいることが多いですが、美容クリニックでは基本的に看護師やカウンセラーが全ての業務を分担して行うからです。
美容クリニックでは、みんなで協力して雑務をこなしていく必要があるため、気付いた人が率先して行う、という率先力が求められます。
美容看護師の1日のスケジュール
続いて、美容看護師の1日のスケジュールを紹介していきます。
美容看護師の1日のスケジュールの特徴をまとめました。
- 業務開始時間が遅く、終了時間も遅い
- 予約制のクリニックが多く1日のスケジュールは大体決まっている
- 施術の内容が決まっているため動きが同じ
病棟だとイレギュラーなことが起こりやすいですが、美容クリニックではイレギュラーが少なく、1日の動きはある程度、型が決まっています。
もちろん、イレギュラーがゼロではなく、予約状況によっては休む間もなく患者様対応に追われることもあります。
誤来院で、突然の患者様対応が入ることも!
臨機応変な対応が求められる所は病棟と同じです。
では、実際に美容看護師の1日のスケジュールを見ていきます。
病棟だと1日のスケジュールがその日によって変わるため、このようにスケジュールとして表すのも難しいですよね。
美容クリニックだとルーティン化されてる業務も多いんだね!
また、始まりが遅い分、お昼休憩の時間や業務終了も遅いため、病棟と違って1日の動きが後ろ倒しになるのが特徴です。
お昼が遅い分、夕食の時間も遅くなり、私は大体22時以降に夜ご飯になってしまいます!笑
後ろ倒しのスケジュールにはなりますが、仕事前の朝時間をゆっくりと過ごせるのは美容看護師の特権でもあります。
朝の時間を使って家事をしたり、新しいことに挑戦したり、有意義に過ごすことができるでしょう。
病棟での看護師経験がベース
転職後も、今までの経験を活かしたいと考える人は多いのではないでしょうか。
ですが、病棟看護師と美容看護師の仕事内容は大きく異なります…
美容看護師に転職後、新たに多くの技術習得が必要になることは間違いないでしょう。
安心してください!病棟看護師の経験を活せます!
使う技術の内容こそ変わりますが、観察力やアセスメント力、他職種との連携力は必須な能力です。
また、採血や点滴、自己注射の指導などの技術も美容クリニックでは求められます。
むしろ、看護師経験がないと困る場面は多いかもしれません…
実際に、筆者が病棟経験があって良かったと思った場面をまとめました。
- 患者様が内服中の薬と用量が施術を行えない対象だと気づけた時
- 施術開始前の皮膚状態の確認で施術禁忌の対象だと気づけた時
- 患者様の状態の変化に気づけた時
美容クリニックは基本的に健康な患者様の対応ですが、美容クリニックという慣れない環境や施術に伴う痛みで、パニック症状や過呼吸を起こす患者様も少なくありません。
年齢層も幅広く、全ての人が美容医療の対象になり、既往歴もさまざまなので臨機応変な対応が必要です!
病棟経験があるからこそ、臨機応変に対応し、小さな変化に気づくことができます。
技術面では変化がありますが、考え方や求められる能力は病棟での看護師経験がベースになります。
美容看護師になるために
続いて美容看護師になるために必要なことを紹介していきます。
美容クリニックで働く際によくある質問をまとめました
- 新卒でも入職できるの?
- 容姿で採用が決まる?
- 年齢制限があるって本当?
新卒でも入職できるの?
結論から言うと、新卒でも入職できます。
しかし、美容クリニックによっては病棟経験が求められる所も。
私の働くクリニックでは新卒の看護師は採用していません。
病棟と違い、入職後の研修期間が短く、看護師としての基礎知識を身につける場面が限られていることが背景にあるようです。
また、美容看護師へ転職後に病棟看護師に転職する場合、美容看護師として働いていた時の技術はあまり病棟では使わないため、再転職後に苦労するかもしれません。
病棟経験がなくても就職できる美容クリニックももちろんありますが、経験があった方が将来の選択肢は広がります!
容姿で採用が決まるの?
美容クリニックの採用は容姿では決まりません。
ただし、あまりにも容姿を気にしていない場合は採用が見送られる可能性も。
多くの美容クリニックはブランディングされていて、品位を大切にするクリニックが多いからです。
しかし、容姿以上に求められるのは、美容医療に対する熱意です。
美容への興味がないとこの業界で働くのは難しいと思います…
美容医療の業界では、新しい施術が頻繁に出てきたり、情報も日々更新されることが多いです。
普段から美容に対して興味を持ち、新しい知識や技術を習得したいという熱意は、美容看護師として長く働いてもらう上でとても重要な要素です。
年齢制限があるって本当?
美容クリニックの採用基準に年齢制限はありません。
そもそも、採用時に年齢制限を設けることは禁止されています。
私のクリニックでは30代半ばの看護師さんも多く採用されていますよ!
多くの美容クリニックでは、長期で働けるようにキャリアプランが用意されているところも多いです。
経験年数が増えるにつれて対応力も高くなるため、むしろ美容クリニックでも必要不可欠な存在となるでしょう。
まとめ
今回は、美容看護師と病棟看護師の違いや、美容看護師の仕事内容について解説しました!
美容看護師と病棟看護師の違いをまとめると以下の通りです。
- 業務内容
- 働く環境
- 患者様の特徴
- 求められるスキルと知識
- 勤務体制
美容看護師と病棟看護師では違いも多くありますが、必要となる基礎知識は同じということが分かりました。
新卒でも美容看護師として働けますが、将来の幅を広げるなら病棟経験があると良いですね!
美容看護師の仕事内容については以下の通りです。
- 患者様への施術
- 環境整備
- カウンセリング、受付業務
- 機器のメンテナンス
美容クリニックと聞くとクレーム対応が多いイメージがありますが、実際はクレーム対応は少ない事が分かりました。
一人で解決することはないから安心してください!
病棟看護師とは異なる点が多い美容看護師ですが、美容看護師でしか身に付けられないスキルもたくさんあります。
看護師として新しい働き方をしてみたい人は、ぜひ美容看護師の道を歩んでみてください!
コメント